生産農家支援

 岡崎市の農業は多種多様な品目があるため、それに対応した種苗生産を行っています。
 花き類  観葉植物  野菜類  切花  小菊  果樹  持続型農業推進

花き類

 ササユリの品種改良および増殖
 自然のササユリは種子を播いてから開花するまで7~8年かかります。一方、近年の山里の管理不足や乱獲によりその姿が消えつつあります。そこでササユリを保存していくため、効率的な増殖と環境の変化に強い品種を目指した品種改良をすすめています。効率的な増殖により、ササユリは3~4年で開花出来るようになりました。
      ササユリ培養  栽培(画像)  優良花の選抜(画像)
       鱗片等培養による増殖      →   培養した苗の順化        →   開花

観葉植物

 生産者が育成した、珍しい形態を持った個体の大量増殖を行います。
       カシワバゴムの培養苗  人工気象器で順化育成  カシワバゴムの優良種
        カシワバゴムの葉片培養    →  培養苗順化           →  生産者による育成

野菜類

 主に栄養繁殖(イモで増やすもの)する作物を茎頂培養によって苗生産します。イモ類は一度ウイルスにかかるとそのウイルスは子へと引き継がれるため、繁殖を繰り返すと品質の低下が起きます。そこで茎頂培養によるウイルスフリー苗を作り、高品質の野菜生産を図ります。

 
法性寺ネギ茎頂培養
 愛知県の伝統野菜の1つで、ねぎ坊主が出来にくく株分けで繁殖する作物。近年病気が多発したため茎頂培養により増殖したところ生育が旺盛になりました。
       ネギ畑  茎頂  ネギ培養
        法性寺ネギ栽培畑        →  茎頂                → 培養ネギ苗 

切花

 生産者育成と消費者への安心安全で多様な農林産物を供給することを目的に、おかざき農遊館およびふれあいドームに出荷している生産者を対象に、新品種や優良種苗の供給を行っています。

小菊

 新品種や優良種苗の母本管理を行い、生産者へ差し苗を供給します。
      小菊母本  差し苗

果樹

 生産者へ巨峰等の接木苗等の供給を行います。

持続型農業推進

持続型農業とは従来の化石燃料を多量に投入することで成り立っている農業を見直し、適切な施肥管理・病害虫管理を行いつつ生産性を維持するものです。
 農業支援センターでは持続型農業推進のため、土壌診断と有用微生物を使用した堆肥生産を行っています。

土壌診断

 土壌分析(pH、EC、CEC等)を行いその数値を県の開発した土壌診断ソフトに入力、肥料成分の過不足を表示した処方箋PDFファイル52KBを発行し、無駄な施肥を減らすよう生産者に助言します。関係機関と連携しておもに認定農業者(愛称:エコファーマー)の圃場の診断を行います。

堆肥生産

 農業支援センターから排出する使用済み培土や植物残渣に加え、有機廃棄物(おから、籾殻、コーヒー粕等)を混ぜ、ここに放線菌という微生物を加えて発酵させ、堆肥を生産しています。放線菌とは微生物の一種で、病害虫の主な原因となるカビ(糸状菌)と競合しその増殖を抑えると言われています。この菌を増やした堆肥を生産し、栽培土壌に投入することで健全な土作りを目指します。
材料  混合作業  製品
 堆肥材料                堆肥生産                 製品

新規就農支援

野菜作りの実習・講義を1年間実施します。20人の実習生を募集し、1人13坪・44平方メートルの区画を割り当てられ、野菜の育苗から施肥、農薬の散布等 野菜作りの管理を学びます。通常、毎週火曜日と金曜日に実施します(時期により毎週ある場合とない場合があります。)。

年間スケジュール

3月 受講生募集・開校式
4月~5月 スイートコーン・エダマメ播種
ナス・トマト・ピーマン・キュウリ・スイカ定植
5月~8月 夏野菜 通常管理、収穫、片付け
8月~9月 キャベツ・ブロッコリー育苗
ハクサイ・ニンジン・ダイコン・ホウレンソウ播種
9月~1月 秋冬野菜通常管理、収穫、片付け
1~2月 加工実習(こんにゃく、味噌作り)

申込み方法

 市政だより(1月15日号)にて募集の詳細を掲載する予定です。そちらをご覧ください。

ふれあい体験

年間予定(変更の場合あり)

体験教室

 
5月 プランター栽培講習会(H22年度実施風景pdfファイル177KB
 6月 ラベンダーバスケット作りおよびハーブ寄植え教室)
 9月 プランター栽培講習会
10月 イモ収穫体験および収穫祭
10月 きのこ菌床栽培講習会
12月 ハーブを使ったリース作り教室
 1月 味噌作り教室
 2月 こんにゃく作り教室

米作り体験(5月に募集を行います)

 5月 田植え(H22年度実施風景pdfファイル158KB
 7月 すげ作り
 9月 稲刈り
12月 もちつき




 

用語等

茎頂培養

 生育の旺盛な組織(ある働きをもった細胞のかたまり)を茎頂といい、ここで葉や根や花のもととなる組織が作られる。この部分はウイルスが存在しないか、あっても少なく、これを培養することで無病苗(ウイルスフリー)作成することが出来る。
 通常、種子で増える植物はウイルスが子へと伝染することはないが、栄養繁殖といってイモで増やす植物は親イモのウイルスが子イモへと伝染し、蓄積されていく。ウイルス濃度が高くなった植物は生産性や品質が低下するので、茎頂培養により無病化する必要がある。
 無病苗は病気に対して強いわけではなく、ウイルスが侵入すればこれが植物体内に蓄積されていくため、更新が必要である。サツマイモでは通常3年に1度更新すると良いと言われている。

                              茎頂培養作業流れ図
     茎頂図
       頂芽を取り表面殺菌   クリーンルーム内で茎頂組織    人工培地に植え継ぎ、培養します
       します            を実体顕微鏡で取り出します     茎頂培養用→植え継ぎ用→発根用

持続型農業

 有機肥料・化成肥料および農薬を適正に使用して農業経営を持続的に行う農業を指す。環境保全型農業とほぼ同義だが、生産性の維持に重点を置いている点で若干異なる。この言葉が生まれたのは集約農業の進んでいる欧米においてである。1950年代以降、生産性を上げるため化成肥料・農薬を多用した結果、土壌の荒廃・病害虫の多発を招き、また地下水の硝酸汚染を起した(ヨーロッパでは地下水を飲料水に利用する地域があり、硝酸汚染に対し敏感)。短期間の収益を上げる農業の社会的費用の大きさに気づき、様々な規制を設けるようになった。

 日本では農林水産省が1994年に環境保全型農業の推進本部を設置したが、課題は多い。

放線菌

 その生育ステージの一時期に糸状の形態をとるグラム陽性細菌に対する総称。そのほとんどが土壌をすみかとする細菌であり、加水分解酵素を分泌して土壌中のセルロース、ヘミセルロース、キチン、リグニン、たんぱく質などの高分子物質を分解し、利用している。また、抗生物質をはじめとした2次代謝産物の生産で有名であり、医薬品の生産に広く使われてきた。
 実際に土壌中で抗生物質を産生することは希だが、高分子物質を利用する能力、特にキチンを利用することは、農業では有効である。キチンはカビの細胞を構成する物質なので、放線菌とカビは競合する。カビの仲間には植物の病原菌が多く(フザリウム菌、バーティシリウム菌、ピシューム菌など)、放線菌が多いとこれらを抑制できる(放線菌でもジャガイモそうか病という有名な病原菌はいるが、カビに比べ種類は少ない。)また、放線菌は胞子を作るので、乾燥に強い。